Air Video VS Air Playit
PC上のビデオファイルをiOSからストリーミング再生できるサーバー&クライアントとしてこれまでAirVideoを使っていましたが、最近Air Playitも使い始めました。
Windows Home Server 2011に2つのサーバーソフトウェアをインストールして、併用しながら使い比べられる環境ができたので少しレビューしてみたいと思います。
併用環境の作成
当初AirVideoがインストール済みのWindows PCにAir Playitをインストールするとどちらも使えなくなってしまいます。
AirVideoはBonjourのインストールを別に行う必要がありますが、Air PlayitのセットアッププログラムにはBounjourのセットアップも含まれているのでそこが競合の原因か?
一旦2つともアンインストールして、Air Playitを先にインストール、続いてAirVideoをインストールしたらどちらも正常に使えるようになりました。
クライアント機能の比較
一長一短で、若干機能的にAir Playitの方が優っているかな、という印象です。
多重音声対応と字幕
AirVideoは多重音声と字幕に対応していませんが、Air Playitはどちらも対応済みです。
早送り、巻戻し
AirVideoは30秒巻き戻し、早送り機能があるのですが、Air Playitには相当する機能は無し。
操作のレスポンス
サムネイルキャッシュの生成はAirVideoの方が若干早いかも。全体のレスポンスもAirVideoの方が軽いような気がします。
PIN機能
Air PlayitはPIN機能があって、同じサーバーに繋いでも公開するルートディレクトリの範囲を変えることができて、簡易的なアクセス制御が可能です。複数台クライアントデバイスがある場合に、それぞれ再生できるルートディレクトリを変更できます。
サーバー機能の比較
リモートアクセス
どちらもリモートアクセス(ルータ越しの3G回線経由の再生)をサポートしています。
AirVideoはUPnPを使ったポートフォワード設定の自動化と、PINを使ったリモートアドレス設定の簡略化によりクライアント側の設定が非常に楽です。
サーバー側でリモートアクセスを有効にすると10桁のPINが表示され、これをクライアント側に設定すると勝手にルータの外側のアドレスを探してくれます。
Air Playitは単にルータ経由でもアクセスできるから、勝手に設定してね、という感じ。
ルータのポートフォワードの設定は自分でやらないとダメだし、ルータのグローバルアドレスの設定も手動。パスワード機能が無いけど、PINの複雑化で対応しろということか?
トランスコード機能
どちらもiOSがネイティブに再生できない形式の動画を、iOSで再生できる形式にリアルタイムでトランスコードして送信する機能を持っています。
Air Playitの方はCUDAに対応しています。Intel Quick Sync Videoに対応の方が嬉しいな。
オフライントランスコード
リアルタイムでトランスコードしながらストリーミング送出する機能の他に、再生はしないけどトランスコードだけ実行させることが可能です。
Air Playitはトランスコード済みの動画を再生はしないけどiOSにダウンロードすることが可能です。
(2012/4/12追記)
リジューム再生
どちらもリジューム再生(前回再生終了した位置から再生)機能を持っていますが、使い勝手はAir Playitの方が良いです。
Air Playitの場合、再生途中の動画は動画一覧の画面の時点で丸いアイコンが表示され、再生位置が円グラフの要領で表されます。
さらに一覧の下の方に「最近再生した動画」が表示され、すなわちそれらはリジュームできることになります。
AirVideoは再生してみるまで再生途中なのか分からない。再生しようとすると「途中から再生するか?」みたいなメッセージが表示されますが、それが実際に再生を試してみるまで分かりません。