Rotor 3D+ MAS Crank + Q-Rings
楕円チェーンリングと私
高校生の頃ロードマンに乗っていて、片道10kmの通学に使っていた。
当時はあまり自転車には興味が無くて、日常的に手入れした記憶が無いのだが、唯一記憶しているのが、チェーンリングが楕円であることだった。
今になって調べてみると、年代的には「ロードマン プレビオ」というモデルのようだ。
楕円というよりは、菱型っぽい異型リング。
大学に入ってからもしばらく乗っていたが、山の上にキャンパスがある学校だったので、途中から原付に乗り換えて自転車はしばらく駐輪場に放っておいたら盗まれてそれっきり。
Rotor 3D+ MAS Crank + Q-Rings
というわけで25年の時を超えて楕円チェーンリングを再び踏むことになる。
Giant FCR1 2012のクランクはFSA製。
デザイン的にはシマノのカブトガニアームよりよっぽどマシだと個人的には思っているのだが、安っぽさは否めない。
それでもクランクセットってのはロードバイクのパーツの中ではフレームとホイールの次ぐらいに金のかかるパーツなので、最後の最後までアップグレードは我慢していた。
デザインの面で「欲しい」と思えるのはRotorのクランクか、VisionのTTクランクぐらいなのだが、後者はMegaExoモデルの入手性が悪いし、そもそもMegaExoは同一規格内でもクランクとの適合が複雑なのでDIY派には手が出しづらい。
Rotorはさらに通販での入手性が悪い。
Bike24からは多くのモデルが購入可能だが、ほとんど「delivery date unknown」。しかもショップ自体の評判があまり良くない。
Planet Xで一時期3DFクランクをBB付で非常に安く変えたのだが、当時BB専用のレンチが付属しない、という話があって、これは見送っていた。
最近知ったベラチスポーツはPaypalが使えないのが不安だが、対応は個人運営ぽくって評判は悪くない。
またクランクとセットで使うBBとチェーンリングをWebフォームで選択できるので、通販でも買い間違いが少ない仕組みになっている。これはサイトの作り上、非常に良いサービス。
まずはクランクを選択する。
ベラチスポーツで購入可能なRotor製クランクは、30mmアクスルモデルは通常の5アームとエアロなモデルの2種、それとHollowtech互換の24mmアクスルモデル。
24mmアクスルは今乗ってるバイクのクランクがシマノ製なら、クランクだけ替える、という選択肢が選べる点でメリットだが、今回はそんな縛りは無いので純粋に将来性だけ考えて、30mmでもいろんなBBシェルに対応できそうなので30mmアクスルモデルにした。
Rotorは通常の5アームのクランクに通常のスパイダーなチェーンリングも武器っぽくてカッコ良いのだが、ここは自転車の方向性に合わせてエアロなタイプを選択。
次にチェーンリング。
BCD110であれば、通常タイプとエアロなタイプ、さらにno-QとQ-Rings、それぞれいくつかの歯数のバリエーションを選択できる。
エアロ効果など素人の速度域で期待していないので、まずは単純に見た目でエアロタイプを選択。
no-QかQ-Ringsか、については、とりあえず単純に見た目で選ぶならQ-Rings。現モデルのnoQは↓こんな感じでグラフィックが地味なので、見た目が気にならないとしてもこれはちょっと無い。これを選ぶなら非エアロタイプが良い。
Q-Ringsについて。
ペダリングには無頓着なので、ロードバイク歴2年にしてはペダリングは下手だと思う。
Q-Ringsのコンセプトはペダリングを矯正するのではなく、下手は下手なりに道具の方で回転トルクのムラを補正するモノ、と理解しているので、自分のようなタイプには向いているのではないかと思う。
というワケで見た目と実用性でQ-Ringsの50/34にした。
注文した翌日、受付した旨のメールが届いた。
フォームに入力した住所が不十分だったのに気がついて、メールに対して正しい送り先を返信した以外、とくにやりとりは無し。
ほぼ1週間で到着。国際郵便扱いで、郵便局から届いた。
梱包は適当。シュワルベのダンボールに緩衝材少なめで送られてきた。エアクッションのエアが抜けている。
梱包品に不足は無し。まずは一安心。
不安だったBBの専用レンチもちゃんと付いてきている。
到着した当日の夜に室内でクランク交換作業。
室内なのでパーツクリーナーを使うわけにゆかず、ウエスでBBシェル内部を綺麗に拭く。
BBのスレッド部分に中強度のスレッドコンパウンドを塗れ、と説明書に書かれている。中強度ロックタイトを薄く塗りたくり、専用レンチで締め付ける。
40Nmで締めろと書いているが、トルクレンチなど持っていない。
アルミフレームにアルミのパーツでなので強度に心配は無いし、専用レンチはグリップが短めでそもそも過大はトルクは掛けられないので、手で思いっきり締めることにする。
BB取り付け後、クランクを差し込む。
BBの説明書とクランクの説明書は別々なので分かりづらいが、まずこちらはBSA30 BBの説明書。
"E"はBBにグリス塗れで引っ付いているシールワッシャを指している。これは当然取り付ける。
アスタリスクはBB幅によって調節するスペーサーを指している。MTBは何種類かの厚みのスペーサーが必要なのだが、ロードにはスペーサーは不要で、そもそもロード用BSA30にはスペーサーは付属していない。
次にクランクの説明書。
クランクには11.5mmのスペーサーが2つ付属していた。
クランクの説明書ではBB30、プレスフィット30、BBRightはこのマニュアルに従え、と書いてある。一方で図中にBBRightはこのスペーサーは使うな、と書いてあるので、結局このスペーサーが必要なのはBB30とプレスフィット30のみ。
それ以外のBBはBBの説明書に従え、と書いてある。
すなわちBSA30はスペーサーが不要。
そうすると図中の「WASHER 0.5mm」の必要性が謎になってしまう。
BSA30の説明書ではこの樹脂製のワッシャについては触れていないし、ワッシャが2つ付属しているのにドライブサイドには不要のような書かれ方がしてある。
他の人のblogを参考にして、このワッシャはノンドライブサイドにのみ必要らしいと判断して作業を進める。
NDサイドのクランクにワッシャとBBシールを差し込んで、BBにそうっと差し込んでゆく。
アクスル一体型クランクの取り付け作業の動画をYoutubeで見ていると、手のひらで叩いてBBにクランクを差し込んでいるが、とても手では入れられない程キツい。
仕方がないのでゴムハンマーで少しづつ叩きこむ。作業台が無いとちょっとこわい。
クランク軸を根元まで差し込んで、チェーンリング側クランクを固定する。
BBは初め心配になるくらいに回転が固かった。
ワッシャが多くて幅がキツイのかとも考えたが、そうでもないらしい。
結果、取り付け後、数回試走していたら、1週間後には気にならない程度には回るようになった。
取り付け直し
取り付けて一週間後、やっぱり取り付け工程が気になったので最初から取り付け直すことにした。
BBを取り外して、BBシェルをブレーキクリーナーで綺麗にした後、再度ロックタイトを塗り付けて、手ルクで締め付け。
クランクのスペーサにもちゃんとグリスを塗って、クランクを差し込み。
最後に左クランクのBB当たり調整ダイアルを少し緩めて完了。
それまでの一週間の試走のお陰でBBはかなりスルスル回るようになっていた。