Campagnolo Bulletのベアリング交換(リア編)
リアはちょっと厄介です。
リアハブの2つのベアリングの間にはカラーとかスペーサーと呼ばれる中空シャフト(下の図の右から2番目)があって、左右のベアリングのインナーレースを繋いでいます。インナーレースと物理的に嚙み合っているわけではなく、シャフトを通してあるだけなので、シャフトを抜けば簡単にセンターがずれます。
この中空シャフトは当然ベアリングのインナーレースと同じ内径であり、かつシャフトを抜いても反対側のベアリング裏側が見えないため、フロントと同じ方法は使えません。
ベアリングのインナーレースはうっすらテーパーがかかってるので、ここに爪を引っかけて抜くパイロットベアリングプーラーという工具が必要です。
こちらのページの図説が非常に分かりやすいです。
ちゃんとした工具は1万ぐらいするので、2,000円ぐらいの中国製を買ってみました。
ばばーーん、パッケージに堂々とApriliaのバイク。怪しい。
内径9mm~23mmまで対応する5種類のチャックが付属。
レビューを読むと素材が柔らかくてチャックの爪がナメ易いとあります。
慎重にやれば何とかなるでしょ。
チャックの爪と、爪を開くためのピンの部分にグリスを塗った方がよさそう。
慎重にピンを締めてチャックの爪を開いて、インナーレースのテーパー部分に引っかける。
ピン一体型のボルトに穴が開いてるのでドライバーを突っ込んでボルトが供回りしないようにして、ナットを締める。
一発で「カキン!」と鳴って抜けました。ハブ内部はグリスでドロドロです。
片方が抜ければ大勝利。
あとはフロントを抜いたのと同じ自作工具でも抜けるけど、中華工具のクセも分かったのでそのまま中華工具を使って反対側のベアリングも抜きました。
ベアリングを抜いた状態でハブ内部を再現すると、こんな構造になってます。
左エンドボルトと左ベアリングの間、左右ベアリングの間、右ベアリングとフリーハブの間にそれぞれ中空シャフトが挟まっています。それぞれ長さは違いますが、組んでみて間違ってたら分かる程度です。
フリーハブの内部にも中空シャフトが通っています。
中空シャフトと各ベアリングのインナーレースは接しているので、左右のエンドボルトを締め込んでもベアリングに与圧はかかりません。
フロントと同じ自作工具を使ってベアリングを圧入。諸々すっ飛ばして組み戻しました。
購入したパイロットベアリングプーラーは下の製品です。
自動車のフライホイールに付いてるパイロットベアリングを抜くには、爪がちょっと大雑把で引っかかる気がしないですね。
自転車用途だったら使い物になるかも。