GIANT TCX SLR 2にShimano GRXを入れました。

GIANT TCX SLR 2 (2018)にGRXを入れました。

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クランク:FSA OMEGA (46/36)⇒GRX FC-RX600-11 172.5mm (46/30)

リアディレイラー:RD-5800⇒GRX RD-RX810

フロントディレイラー:FD-5800-F(完成車から変更なし)

レバー:ST-5800(完成車から変更なし)

ブレーキ:GIANT Hydraulic Disc Brake(完成車から変更なし)

 

完成車にはFSA OMEGAの46/36クランクが付いてました。

自走で数十キロ走って、数キロもしくは十数キロの林道を走るためのバイクなのでフロントシングルは自走区間で不満あり、フロントダブルは必須。

アウター46Tはのんびり走るバイクなのでちょうどいいけど、インナー36Tはもっと小さくてもいいと思ってました。

46/30の組み合わせが実現できるクランクセットを探してみましたが…、

OMEGAにはインナー30Tのオプションがあるので完成車がそれだったら不満は無かったのにね。FSAチェーンリングだけなんて入手難しいのに、気が付いた頃にはFSAのオフィシャルサイトでもSold out。

 

FSA Energyというダイレクトマウントなクランクにも46/30のチェーンセットがあるけど、FSAのクランクってBBはクランク専用品だし難易度高い。

 

FCRにはROTER Q-Ringsを入れてるのでTCXにもROTERクランクってのがベスト。ALDHUクランクはダイレクトマウントなのでインナー30Tを選択できる。

30mmクランクはBB86シェルに入れるにはいろいろ問題があるがALDHUには24mmアクスルのバリエーションがある。でもベラチでも30Tインナーの組み合わせは扱ってないようだ。

 

そんなところにシマノがGRXを発表。46/30Tのクランクがあるからちょうどいい。

パーツごとに出荷時期がバラバラでなかなか入手できませんでしたが、7月に入って徐々に入手可能になってきたので以下のパーツを購入しました。

クランク:FC-RX600-11 172.5mm

リアディレイラー:RD-RX810

BB:BB-RS500-PB

チェーン:CN-HG601

 

GRXを入れたい直接の動機はクランクだけど、完成車のRD-5800-SSはトータルキャパシティ33T。リアスプロケットは11/30Tなので歯数の差の合計は19。フロントを46/30にすると合計35Tなのでアウト。リアディレイラーも交換します。クラッチディレイラーも興味あるし。

RD-5800-SS

完成車のフロントディレイラーFD-5800はスペック上はフロント歯数が46-53なので問題なし。トータルキャパシティは16Tなので問題なし。チェーンラインが外側に出るので可動域が気になるけど、これは現物合わせでダメだったらGRXのFDを買うことにしよう。

FD-5800-F

GRXのディレイラーはロード用のSTIと引き量に互換性があることは分かっていたのでST-5800はそのまま。ブレーキのGIANT Hydraulic Disc Brakeに特に不満は無いので変更せず。ブレーキまで変えるとコストも手間もかかってしまう。

 

BBは完成車はFSA MegaExoの19mmアクスル用が入っているので当然交換。

UltegraグレードのSM-BB72-41があるけど、BB-RS500-PBでいいか。

そこでMegaExoの19mmアクスルには専用のリムーバーツールが無いことが判明。コスト削減の完成車用途に割り切っているってことかい?まぁ裏から叩けば抜けるか。

 

当初フロントとリアの最大ギア数の合計は変わらないのでチェーンは変えなくても大丈夫かと思って買っていなかったのですが、RD-5800とRD-RX810のチェーンコマ数の決め方が違うのが分かったので急遽購入。

RD-5800はフロントダブルでリア28T以上の場合「繋ぐことのできる最小リンク数」に2リンク加えた長さにするところ、RD-RX810は4~6リンク加える必要がある。

 

さて7月下旬。なかなか入荷しなかったクランクが届いたので作業着手しました。

 

まずはクランクの取り外し。

実はクランクの届く数週間前にFSA OMEGAのクランクを外すテストをしてみたのですが、その際にロックリングを壊してしまっていました。

正確には、何もロックしていないのでロックリングではなく、特別な工具無しでクランクを抜くためのSelf Extracting Boltと呼ばれるパーツです。

左クランクをアクスルに固定するボルトを抜くときに、上から抑えることで左クランクごと抜くためのパーツなのですが、左クランクが余程ギッチギチに締めこまれていたらしく、Self Extracting Boltが耐え切れずに割れてしまいました。

ちなみにこのパーツはアルミ製。ROTOR 3D+クランクも同じような仕組みだけど、確か同じような役割のパーツは鉄製だった気がする。

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クランクが抜けないのは困るので、Y's Road新宿カスタム館で同じパーツを購入。

スモールパーツとしてはQR-18というパーツなのだが、センターボルトとSelf Extracting Boltがセットで全く同一のパーツは売っていなかった。だがSelf Extracting Boltは共通なので一番安かったQR-17を購入。

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Self Extracting Boltを取り付け後、クランクをガンガン叩いて慎重にセンターボルトを回したところ、無事に左クランク抜き成功。

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このあと接合部を掃除して再び取り付けましたが、完成車状態と同じ程度にはセンターボルトを締めることができなかった。完成車は相当キツく締められていたっぽい。

 

さてクランク到着後、OMEGAクランクは何事もなく取り外し成功。

19mmアクスルは細いですね。 

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続いてBB抜きにチャレンジ。ベアリング部分に段差があるので、ここに何か当てて裏から叩けば抜ける。

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BBを再利用する予定は無いので太めのアーレンキーを直接当ててガンガン叩く。

ちょっと浮いてきたのでこの方法でイケそうだ。

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斜めにならないように均等にガンガン叩いて、スポーンと抜けました。

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ベアリングは傷んでいないっぽいけど、再利用の用途は無し。

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スリーブが入っているので外して、反対側はアクスル径より太い鉄パイプを当てて叩きます。

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両側抜けました。左右のBBを繋ぐスリープは塩ビパイプ的なショボさ。

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続いてBB-RS500-PBを入れます。インストール工具は自作。ボルトナットはちょうどいい長さと太さのヤツが家にありました。鯉のぼりのポールの台座を固定するやつ。

ワッシャだけホムセンで買ってきました。

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接合部にグリスを塗った後、位置を合わせて左右からスルスルとナットを締めます。

入りました。

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クランクを入れる前、BB下がスッキリしている間にリアディレイラーのインナーワイヤを入れ替えることにします。

TCX SLR 2はリアディレイラーのワイヤはチェーンステー部分が内装構造なのですが、ワイヤが出てくる箇所のアウター受けが外れる構造なのでインナーを出すのは簡単そうです。実際車体を立ててBB側からインナーワイヤをコツコツ探ったらワイヤが出てきました。

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ここで最近のシマノのロード用リアディレイラーの構造を確認。

「シャドーRD」「ダイレクトマウント」採用のリアディレイラーは従来とは構造が大きく変わっています。

従来型のディレイラーハンガーに固定する部分は完全に固定されています。

リンクが一つ追加されており、その先の軸が可動するようになっています。ダイレクトマウント対応のハンガーが用意されているフレームの場合はこの追加されたリンクは不要です。

チェーンを張った状態ではB軸はこの角度で安定します。

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B軸が後ろにオフセットした分、ガイドプーリーがホイールアクスルより後方に大きく避けるので、ホイール脱着が容易になるというのがダイレクトマウント型リアディレイラーの利点だそうです。

従来型リアディレイラーと違いB軸にスプリングは入っていません。ここまで可動します。

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しかしこの構造はリアリンドからケーブルが出てくるタイプのフレームと相性があまりよくない。フレーム側ワイヤー受けとディレイラー側ワイヤー受けがここまで接近しています。

ちなみにリアディレイラーは先週届いていたのでリアディレイラーだけ先に取り付けていたのですが、ワイヤを短く詰めすぎてしまっていました。これではB軸がほとんど動くことができず、ホイールの脱着に支障が出るレベルになってしまいました。

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今日の作業の写真に戻って…、内装じゃないチェーンステーだったらこんな感じ。無理なさそう。

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いっそぐるっとループさせたらワイヤに負荷なさそう。でも見た目的にこれは無いな。

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このぐらいの長さを目指してカットします。

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ワイヤを張った後、クランクを入れます。シマノクランク取り付け工具って初めて使った。

続いてチェーン張り。完成車はRD-5800のマニュアル通り最大ギアで張れる長さより2リンク多い長さでした。110リンク。新しいチェーンは同様に最大ギアで張れる長さプラス6リンクの114リンクで張ることにします。

ばっさり工程ワープして交換完了。

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チェーンラインが外側に出てるので、FD-5800の可動域の外側ギリギリを使ってる感じ。調整は苦労しましたが、自分基準ではちゃんと変速してます。

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リアはこんな感じ。正直まだワイヤは長いですね。もう数センチ短くても大丈夫そうです。

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でもホイールの脱着は交換前と遜色無い状態になりました。

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またRD-RX810のアジャスタボルトはRD-9000、8000と同じ形状で、当初空回りする不具合があったようです。

Twitterでは報告してましたが、RD-RX810のアジャスタボルトは対策品と呼ばれる形状になってました。

でもアジャスタボルトの外側のプラスチックパーツずれて空回りする現象は発生してます。

 

GRXのクランクはまだ出荷が安定しておらず、通販では在庫状況がコロコロ変わっています。

シマノ(SHIMANO) RD-RX810 11S IRDRX810