Campagnolo Bulletのベアリング交換(フロント編)
先日Bullet 80のベアリングのグリスを交換した際に、特にリアホイールのベアリングのゴリつきが気になったので、ベアリングを交換することにしました。
カンパニョーロのシールドベアリング採用ホイールのベアリング交換については、以下ページを参考にしました。
Campagnoloのスペアパーツマニュアル。所有しているのは2012年モデルのBullet 80 (standard bearings)です。
ご存知のむラボ。純正のベアリングHB-SC013は汎用品だと6001という型番。
Khamsinもハブの構造は同じです。
ベアリングに最適なグリスは耐水性の高いアルミニウム複合かウレアグリスが良い。
まず、モノタロウでNTNの6001LBB(非接触両面シールド)を4つ購入。
グリスはAZのウレアグリスを使うことにしました。80gのジャバラチューブで300円以下。安い。
購入したベアリングにはちゃんとグリスは入っています。
おそらく入ってるグリスをそのまま使うのが、ベアリング的には正しい使い方。グリス詰め替えるときにどうしてもシールを傷つけてしまうし。
でも素性の分かってるグリスが入っている方がいいので、グリスを詰め替えることにしました。
ベアリングのごりつきが気になるのはリアの方ですが、フロントの方が構造が簡単なのでフロントから着手しました。
フロントハブからシャフトを抜くと、ベアリングのインナーレースを通して反対側のベアリングの裏側が見えます。インナーレースに何か引っかけて抜くことができそうです。
そこで下のような自作工具を用意しました。ホムセンで全部で500円ぐらいで用意しました。
M6、200mmの長ボルトに、左から、
- ナット×2(供回り防止用)
- ナット(ベアリング抜き用)
- ワッシャ×2
- コラムスペーサ
- ベアリング(こいつを抜く)
- ナット
- 11mm角ナット
- ナット
です。キモは11mm四方の角ナットです。11mm角、厚み4mmなので、横にすれば12mm内径のインナーレースを通してハブ内に入れることができて、立てれば12mm内径のインナーレースにちょうど引っかかります。
4mm厚の角ナットでは強度が心配だったので、一番右のナットは角ナットの支え。
角ナットの左のナットは、角ナットのセンタリング用です。M6ナットはちょうど12mm内径にうまくはまりました。
コラムスペーサはベアリングを抜くときの余裕を作る台座です。
角ナットをハブの中に入れて長ボルトを通し、さらに前後にナットを通します。
ワッシャ等をセットしたら左端のナットを長ボルトが回転しないようにスパナで固定して、ワッシャ左のナットを慎重に締めると、長ボルトが角ナットを引き出して、角ナットに引っかかったベアリングが引き抜かれる、という仕組みです。
最初に「カツン!」と金属音と手ごたえがあった後、スルスルと抜けます。
反対側のベアリングも抜いて、ハブ内部をパーツクリーナーで掃除した後、新しいベアリングを圧入します。
圧入も自作工具です。
M12の長ボルトとナットはたまたま家にありました。鯉のぼりのポールをベランダに固定するスタンドに付いてたやつです。
4つあるベアリングの内側の2つが新しいベアリング、外側の2つはベアリング抑え用です。さっき抜いた古いベアリングを使います。
ワッシャを介してボルトを左右から締めてゆくと、ベアリングがスルスル入っていきます。
諸々すっ飛ばして、ベアリングが入りました。
センターシャフトの両側からAの部品を通して、さらにBの薄ナットでAを固定します。
2つのベアリングのインナーレースの間にスペーサーは無いので、Aを締めすぎるとベアリングの与圧が高い状態になってしまいます。
ベアリングのガタが無ければ、センターシャフトがガタガタしない程度でいいと思います。
逆にベアリングのボールが痩せてベアリングにガタがある状態でも、Aの締め具合で与圧を高めてガタを減らすことができます。